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戸隠参詣「神殿舞踏」顛末記 (2016 .8.17~8.19) その 4


火之御子社に戻り舞台の仕込みに入る。

ポツポツがシトシト降りへと加速する中、舞台の設営も整っていく。

何も指示しなくても、皆持ち場の作業をこなしていくこの素人集団は僕の誇りである。

これも毎回書いているが、これは書かずにはいられないのだ。

 

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他者も賛同するようなみんなで一致した目的があるわけでもなく、

舞踏が大好きという感性を持っているわけでもなく、

当初から参加してそれなりの啓示をいただいている人を除けば、

個的に戸隠への思い入れが特に強くあるわけでもない雑多な人々が毎夏戸隠に群れる。

 

そして、することと言えば階段を行ったり来たりの荷物の積み下ろし、

行き当たりばったりの舞台作り(何がどうなるのか誰もわかっていない)、

神事への参加といっても毎年同じような風景、

翌日は泥まみれの機材や小道具大道具の掃除に半日を費やす。

常識で考えればいったいどこが面白いのか、

仕掛けの当人が言うのもなんだが、不思議である。

 

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だが、そこには単なる物見遊山を上回る何かがある。

僕は、東京を出発して戻って来るまでの三日間に発生する出来事や

出会いや会話をもすべて含めてアートだと考えている。

そこには自然界の洗礼も関係性のトラブルも、個人的な感情の起伏も含まれる。

 

 

非日常を日常的に過ごしながら日常を非日常に異化する。

それは、日常をどう芸術的に過ごせるかということである。

降りしきる雨は彼らの労を厳しくするが、それを上回って無心の美しさが輝く。

僕は、この仕込みのシーンにもときどきうるうるしている自分を発見する。

僕たちはすでにアートの一部であった。

 

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ミュージシャンも次々と到着。

今年は2年前に参加してくれたアツシさんが実の弟二人を連れて来た。

三人とも太鼓を叩くという。彼らのためにテント1張りを舞台上手に増やす。

ウッドベースのアラン、なんでも奏者の和也さん、そしてエレキバイオリンの飽田さん。

なんと6人ものミュージシャンが揃ってしまった。

 

神殿舞踏はもともと誰もいない山の中から始まった。

僕の中には観客に素晴らしい作品をお見せするという意図は全くない。

戸隠の火之御子社で踊ることになったのも

「ここで踊りた~い!」が、

「ここで踊りま~す!」になっただけである。

 

「ここで踊りま~す!」の宣言がいろんな人々を引き寄せる。

人から人に伝わって一期一会のお祭り日。

こうして出会う人々は(一緒の仲間たちも含めて)すべて「客人(マレビト)」に違いない。

一夜の時空を創造するために遣わされた使者だと。

 

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いま、世の中は祭りに満ちている。

だが、それの多くは人助けにかこつけたビジネスである。

何よりも経済が優先する社会に人々は賛意を示す。

大切なことは消費であって、暮らしやすい社会作りではない。

信仰の場はスタンプラリーのひとつのポイントに過ぎず、

戸隠の活気もそうした波の打ち寄せである。

人々の精神の基軸は信仰からビジネスに完全に移行した。

こうした流れの結末は一体どうなるのだろう。

 

報酬も成果も価値も感動も行為の埒外にある、

存在がただそこにそうして在ることが、

どのように赦されるのかを見届けようとする、

ひとつの在り方が僕の神殿舞踏である。

そして、毎年の戸隠参詣は、

どれほどたくさんの赦しに支えられているかを痛感する旅となる。

 

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