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2015戸隠参詣顛末記2(8/17~19)〜三鷹・整体〜


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社では、昼のうちに厳かな龍神と雷神への供犠も済み、

境内は夜の弔いの踊りへと姿を変えていく。
そんなとき、「ヒロン」がひょっこり境内に現れた。

ヒロンは笛を吹く。吹くものはホラも含めてなんでも達者な男である。
彼は村の楽隊を率いる一族の長「カズー」の息子であるが、

瓢箪徳利を腰にぶら下げて村のあちこちを徘徊し、

森に入ってはけもの道に寝転んで草笛を吹くのが常だった。
ヒロンの云わば傍若無人ともいえる振る舞いを村の人々が咎めるようなことをしないのは、

みんな彼の出自の事情を知っていたからである。
 
ヒロンは二人兄弟で年の離れた兄がいる。

兄「ヒデン」はヒロンがものごころつくまえに村を出てしまっていた。

噂では都でどこぞの楽隊に入り弦を引いているという。
母はもともと身体が弱く、ヒロンを産んだと同時に絶命してしまった。

そのお産は壮絶を極めた。
陣痛も三日三晩続き、ようやく出てきた赤ん坊の首にはへその緒が幾重にも巻きつき、

その締めつける力で舌根が喉元に引っ張られて息もできず、目は完全に白目を剝いていた。
仮死状態ではあったが、なんとか命は取り留めたのである。

そんなはじまり方からして成長の経緯は複雑となる。
 
彼は舌も目も骨格も生まれたときの容態を引き継いでしまっていた。

しかし、そういう奇跡を経た規格外の人間だからこその特異性もあるのだ。
ヒロンは野生動物や自然界の動きに対する感応力に優れる。

野良犬から虫までも彼には警戒を解く。
その日も境内の隅でカラスの「ザワミ」と狐の「ゼーロ」と酒盛りをしながら戯れていた。
 
彼は小さい頃から、カエルに化けそこなった狸のかぶりものが好きで、

年中それをかぶって<アリモンガ、アリモンガ>と呟きながら遊び歩いていた。
だが、ヒロンの仮面のような一様な表情とかぶりものの奥底には

孤独な苦しみ哀しみが詰まっていることを村人たちは感じていた。

酩酊以外それに耐える方法が彼にはないことも。
父のカズーは熱心を通り越して、数ある楽器の手入れに励むばかりであったので、

彼の世話は誰彼となく村人たちがしていた。どこか人懐っこいところもあったのである。
 
彼の孤独に耐える方法が酩酊以外ない、とは言っても、

カズーの家に伝わる楽人の血はヒロンにも流れている。
ぐるぐる回る彼の脳内宇宙ではあらゆる音が鳴り響いていた。

年に一度の祭りは異界の来訪ということでもあり、ヒロンは自らの騒ぐ血を抑えきれずにいた。
そう、カズーと一緒にタカシ家の踊りの楽人を務めるのである。
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祭りの仕込みもたけなわの頃、ひょっこりと細身の男が境内に現れた。

ヒロンの兄ヒデンである。

はじめてのヒデンの里帰り。

彼の手には弦の楽器が握られていた。
こうして、カズー一家に狐のゼーロも加わり楽人たちが整ったのである。

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